SSD・HDDの違いとは?それぞれのメリット・デメリットをご紹介
HDD(ハードディスクドライブ)やSSDは、パソコンのデータを保存する役割を担うパーツです。
最近では、SSDが搭載されているパソコンが増えてきました。
高速なデータの読み書きによってパソコンを利用する時に快適性が上がるSSD、大容量で安価なHDD。
本記事では、HDD、SSDの基礎知識を特徴やメリット、デメリットをご紹介します。
HDDとは?
HDD(ハードディスクドライブ)とは、モーターで「プラッタ」と呼ばれる金属のディスクを高速回転させます。
その金属ディスクに磁気ヘッドを近づけて、データを読み書きする仕組みです。
パソコン外部記憶装置のひとつで、大容量で容量単価が安価であることが特徴です。
HDDのメリット
大容量の製品が安価で手に入るので、バックアップや動画保存の用途に利用できます。
2021年2月現在では、最大16TBの製品まで販売されています。
実売価格は、4TBで~8,000円、8TBで~15,000円位で購入できます。
最近は、100GBを超えるゲームのインストールや動画編集といった用途が増えてきているので、容量単価の安いハードディスクは、バックアップやゲームのインストール先として、最適です。
HDDのデメリット
HDDは、耐衝撃、耐熱性が弱いというデメリットがあります。
HDDは、プラッタが高速回転して、データを読み書きします。
データの読み書き時には、磁気ヘッドが物理的に動いてるので、その際に衝撃が加わると故障する可能性があります。
また、モーターを使用するため作動音が発生します。
SSDとは?
SSD(ソリッドステートドライブ)とは、フラッシュメモリーを媒体として使用して、データの記録や読み出しを行う記録媒体です。
HDDと同じでストレージ(外部記録装置)としてパソコンに接続します。
SSDはHDDと比較すると、読込速度が高速なため、OSの起動が1分程度で完了するのでストレス無くパソコンを利用することができます。
現在、起動用のメインディスクは、SSDが主流になってきています。
OSやアプリケーションのインストールはSSDを使用し、容量の大きいファイルは、HDDに保存するなど用途によって使い分けることによって、SSDの容量不足を解消しながら、パソコンを快適に利用することができます。
SSDのメリット
SSDの最大のメリットとして、データの読み出し速度がHDDと比較して非常に速いことです。
パソコンの起動時間が1分程度に速くできたり、アプリケーションの起動時間も速くなるので、ストレスなくパソコンを快適に利用できます。
また、SSDは、HDDのように物理的に磁気ヘッドが動いて、データの読み書きを行わないので、耐衝撃性に優れているというメリットがあります。
SSDのデメリット
SSDのデメリットとして、同じ容量のHDDと比較して容量単価が高くなることです。
年々価格が下がってきていますが、HDD搭載パソコンと比較すると、やはり高額です。
SSDの詳細
SSDのインターフェースと大きさ
SSDのインターフェース、サイズは大きく以下の2つがあります。
SATA(エスエーティーエー)
内臓HDDや2.5インチSSDの接続に使用します。
デスクトップパソコンやノートパソコンで使用されています。
従来のL型のSATA端子を使用するので、 HDDと同じ規格で互換性があります。
M.2(エムドットツー)
SATAの2.5インチSSDよりも小型で、転送速度も速い次世代のSSDです。
マザーボード上のM.2規格のスロットに挿して、利用します。
SSDの転送方式
NVMe(エヌブイエムイー)
NVMeを使用したSSDは、SATAのSSDと比較して高速でかつ小型です。
SATA(エスエーティーエー)
HDDを接続するための転送方式のため、SSDの場合性能を発揮しきれない場合があります。
インターフェースとは、HDDやSSDをパソコンや周辺機器に接続する規格です。
接続規格が異なる場合、パソコンに接続ができない場合があるので注意しましょう。
SSD用フラッシュメモリの種類
SLC(エスエルシー)
SLC(シングルレベルセル)は、1ビットの情報を1つのセルに記録されるため、速度が速く、耐久性が高いという特徴があります。
容量単価が高く、SLCを採用した商品はあまり販売していません。
MLC(エムエルシー)
MLC(マルチレベルセル)は、2ビットの情報がセルに記録されているため、書き込み速度や回数などもSLCと比べると落ちてしまいますが、価格はSLCより安価となります。
安定した性能と高い耐久性がメリットのMLCは、業務向けのプロ製品で採用されています。
TLC(ティーエルシー)
TLC(トリプルレベルセル)は、3ビットの情報がセルに記録されているため、書き込み速度や回数などもMLCと比べると落ちてしまいますが、価格はMLCより安価となります。
現在、TLCを採用しているSSDが主流となっており、ラインナップが豊富です。
QLC(キューエルシー)
QLC(クアッドレベルセル)は、4ビットの情報がセルに記録されているため、書き込み速度や読み込み速度もTLCと比べると落ちてしまいます。
TLCに比べ、価格が抑えれる予定でしたが、販売されている商品は、安価な商品は少ない印象です。
HDD・SSDの寿命
HDDの平均寿命は約1万時間となっており、1日8時間パソコンを使用すると、約3年半で寿命がくる計算になります。
SSDに使用されているフラッシュメモリにも寿命があります。
SSDの寿命は、TBW(Total Byte Written)という数値で表します。
「SSD用フラッシュメモリの種類」のSLC・MLC・TLC・QLCといったタイプによって変わってきますが、現在、主流のTLCタイプの「Samsung 860 EVO 1TB」では、TBWが600TB= 600,000GBになります。
1日あたり20GBの利用をしても、約82年は保つということになります。
平均20GBを利用することはあまりないケースなので、実際はもっと長持ちするということになります。
このようにSSDは、フラッシュメモリを最適に利用するように設計されているため、通常のパソコン利用で寿命を気にする必要はありません。
まとめ
HDD・SSDは、データを格納するストレージ(記録装置)です。
SSDを搭載することによって、OS、アプリケーションの起動やゲームのロード時間が短縮するといったメリットがあります。
高速・耐衝撃性が特徴のSSDは、OSの起動ディスクに利用、大容量・安価が特徴のHDDは、バックアップ用途に利用することをおすすめします。
- 2021年現在、OSの起動ドライブはSSDが主流になっている。
- OS、アプリケーションは、SSDを使用することにより、起動が高速化し、快適な環境になる。
- SSDに採用されるフラッシュメモリーは、TLC(ティーエルシー)が主流
- HDD、SSD共に寿命があり、HDDは平均で3年、SSDは通常のパソコン利用では寿命になることはほぼ無い。
最後までお読みいただきありがとうございました。