HP Elite Dragonfly G2 ビジネスシーンに最適化された 2in1ノートパソコン 実機レビュー
ビジネスシーンに求められるノートパソコンには、性能や機能だけではなく、高いセキュリティ機能などクリアしなければならない様々な要件があります。
今回紹介する「HP Elite Dragonfly G2」は、同社が販売する法人向けノートPCの中でも最上位シリーズとして位置付けされており、ビジネス利用に欠かすことができないセキュリティ機能を備えています。
のぞき見防止ディスプレイや紛失防止タグの「Tile」機能といったセキュリティ機能やビジネスパーソンの機動性を高める4G LTE/5G通信も搭載しているので、さまざまなビジネスシーンにも柔軟に対応できます。
本記事では、実機を利用してみて、デザイン、性能、使い心地などをレビューします。
本記事でレビューする HP Elite Dragonfly G2 の基本スペック
液晶サイズ | 13.3インチ・FHD ( 1920 × 1080) | CPU | Core i7-1165G7 |
---|---|---|---|
メモリ | 16GB | SSD | 512GB |
OS | Windows 10 Pro | 通信モジュール | インテル XMM 7360 LTE-Advanced |
メモ
本製品は法人向けモデルですが、個人でも購入可能です。
HP Elite Dragonfly G2 スペック
CPU | 第11世代 Core i5-1135G7 第11世代 Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリー | 8GB 16GB (オンボードのため、増設不可) |
SSD | 256GB 512GB |
液晶サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920 × 1080 |
グラフィックス | インテル Iris Xe グラフィックス |
OS | Windows 10 Pro |
幅 x 奥行き x 厚さ | 約304.3 × 約197.5 × 約16.1mm |
重量 | 約1.15kg |
バッテリー | 約17.6時間(4セル) |
WEBカメラ | HD 720p |
顔認証カメラ | 対応 |
HP Elite Dragonfly G2 の特徴
ビジネスシーンに馴染む上質なデザイン
マグネシウム合金を削り出した筐体(CNC)は、知的な印象を与える深いブルーを基調とした「ドラゴンフライブルー」
米国国防総省の定める調達基準である「MIL-STD-810H」に準拠し、堅牢性も高くなっています。
天板の中央部部に配置されたHPのプレミアムロゴは、落ち着いたカラーリングと相まって、シャープでスタイリッシュな印象。
ヒンジ部はエメラルドカットになっており、上品で高級感のある仕上がりになっています。
「第11世代インテル Core i7」で高い処理性能を実現
「HP Elite Dragonfly G2」は、最新の「第11世代インテル Core i7」シリーズが搭載。
インテルが提唱する次世代のノートパソコンに求められる良質な機能や使い心地を保証する「インテル Evo プラットフォーム」認証も取得しています。
充実のセキュリティ機能でビジネス利用でも安心
ワンタッチで視野角を制限できるプライバシースクリーン機能「HP Sure View Reflect」を搭載。
外出先で作業する場合、左右からの視野角を大幅に制限。
のぞき見による情報漏えいを防止することができます。
プライバシースクリーン機能は、キーボードの「F2」でON / OFFの切り替えが可能。
紛失による情報漏洩を防止するために、Tileのスマートトラッカー(紛失防止タグ)が搭載。
ノートパソコンのバッテリーから直接給電されるので、スリープ状態や電源が入っていない状態でも端末を探すことができます。
2 in 1 スタイルを実現する360°回転するディスプレイ
動画鑑賞に最適な「スタンドモード」や対面ミーティング時に便利な「テントモード」
ペンでメモを書く時に最適な「タブレットモード」「フラットモード」など状況に適したモードに変更可能です。
本機は、ワコムAES対応の「HP リチャージブル アクティブペン G3」を使用することができます。
スタンドモード | テントモード |
---|---|
タブレットモード | フラットモード |
デザインと使い心地
外観について
ボディ表面は「梨地加工」が施され、マットな質感に仕上がっています。
本体サイズは、 約304.3mm × 約197.5mm となっており、13.3インチモデルとして標準的なサイズです。
背面にはスピーカーと吸気口が配置されています。
厚さは、最厚部で実測16.1 mm(最薄部、突起部含まず)
前面
背面
重さは公称値で約1.15kg、実測値もほぼ同一。
構造が複雑な2 in 1 PCですが、重量は抑えられています。
電源アダプターの接続端子はUSB Type-Cの65Wタイプとなっており、重さは317g。
ケーブルはファブリック素材になっており、アダプター本体に巻き付けてコンパクトに収納することができます。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは13.3インチ、解像度は1,920 × 1,080(アスペクト比16:9)。
光沢タイプのディスプレイになっています。
プライバシースクリーン機能を搭載している影響で、正面から見た場合、若干暗く表示されます。
RGB発色特性・色域
トーンカーブは、明るい部分が強調されています。
sRGBカバー率 | 97.5% |
---|---|
Adobe RGBカバー率 | 79.4% |
DCI-P3カバー率 | 80.5% |
※キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測
色域はsRGB 97.5%をカバー、ビジネス用途やウェブデザインなども十分に対応できます。
輝度は、実測値で436nitになっており、非常に明るいディスプレイになっています。
キーボードについて
キーボードはテンキーなしの日本語配列。
キーピッチは、約18.7mm、キーストロークは実測で1.6mmでした。
ノートパソコンのキーストローク標準値の約1.5mmと同等で、打鍵感もしっかりしており、とても打ちやすいキーボードす。
キー配列は特定のキーが小さいといった癖もなく、頻繁に利用するEnterキーも大きく配置されています。
タッチパッドの横幅は11cm、一般的なサイズ感。
サラサラとした質感で滑りがよく、カーソルの操作感、クリック感ともに反応もよく、ストレスなく操作できます。
キーボードは、バックライトに対応。
暗い場所での作業も問題ありません。
バックライトは、2段階の明るさから調整可能です。
インターフェース / 機能について
右側面 HDMI、Thunderbolt 4(DisplayPort/電源供給) x 2、 3.5 mmヘッドホン/マイクロフォンコンボジャック
左側面 USB3.1ポート、電源ボタン、セキュリティロックケーブル用スロット、nanoSIM カード スロット
4G / 5G搭載モデルには「nanoSIM カードスロット」が搭載。
SIM カードスロットは、スロット部分を押すと飛び出す仕組みなっており「SIMピン」は必要はありません。
Webカメラは、720pカメラを搭載。
IRカメラを搭載しているので、顔認証にも対応しています。
カメラスイッチで物理シャッターをON / OFFすることが可能です。
シャッターを閉じるとカメラの部分が白くなり、視覚的にも分かりやすくなっています。
矢印キーの下に指紋認証センサーが搭載。
認証精度も良好で、ワンタッチでログインできます。
スピーカーは、底面前方の両サイド、キーボードの左右に4箇所に搭載。
音質も良く、ウェブ会議や動画視聴まで問題ありません。
USB-C(PD)による充電テスト
USB PD充電に対応しています。
USB-PD 20W | ○ | Anker PowerPort III Nano 20W |
---|---|---|
USB-PD 30W | ○ | Anker PowerPort III mini |
USB-PD 45W | ○ | Anker PowerPort III 45W |
USB-PD 65W | ○ | Anker PowerPort III 65W |
USB-PD 100W | ○ | MATECH Sonicharge 100W PD |
ベンチマーク結果
HP Elite Dragonfly G2 の CPU・GPU・ストレージなどの総合的なパフォーマンスを評価します。
本記事でレビューする HP Elite Dragonfly G2 の基本スペック
液晶サイズ | 13.3インチ・FHD ( 1920 × 1080) | CPU | Core i7-1165G7 |
---|---|---|---|
メモリ | 16GB | SSD | 512GB |
OS | Windows 10 Pro | 通信モジュール | インテル XMM 7360 LTE-Advanced |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や室温環境、個体差などにより、結果が変わることがあります。
予めご了承ください。
総合性能
PCMark 10
用途 | スコア | |
---|---|---|
Essentials (一般的な利用) | 目標値 |
|
スコア |
|
|
Productivity (ビジネス利用) | 目標値 |
|
スコア |
|
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) | 目標値 |
|
スコア |
|
パソコン利用時の快適性を用途別に計測する PCMARK 10 では、全ての用途別において、目標値をクリアしています。
ビジネス用途に必須のエクセルやパワーポイントといったアプリケーションを快適に利用できます。
CPU性能
CINEBENCH R23
「HP Elite Dragonfly G2」のCPUには第11世代 インテル Core i プロセッサー(Core i5-1135G / Core i7 1165G7 )を搭載。
レビュー機のCPUは「Core i7 1165G7」を搭載しています。
CPU性能を測る「CINEBENCH R23」の「Multi Core」スコアは3,397となっており、「Core i7 1165G7」のパフォーマンスとしては、やや控え目の結果になっています。
しかし、Office作業とZoonなどを利用したオンラインミーティングといったマルチタスク作業は、余裕をもってこなせるCPU性能です。
GPU性能
3DMark
ノートパソコン、タブレット向けのグラフィック性能を測定するベンチマークソフト「3DMark」の「Night Raid」モードでは、11,000以上となっており、ノートパソコンの中でも高いグラフィックス性能があります。
今回のレビュー機は、内蔵GPUの性能に大きく影響するメモリの仕様がクアッドチャネルとなっています。
ストレージのアクセス速度
PCIe-NVMe SSDを搭載しており、読み込み速度は高速です。
Crystal Disk Mark
ゲーム環境ベンチマーク
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ(中量級 / DX11)
少し重めのFF14では、標準品質、最高品質ともに「普通」でした。
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
動作が軽いドラクエ10では標準画質、最高品質ともに「とても快適」でした。
まとめ
ビジネスパーソンがノートPCに求める機能を集約させた「HP Elite Dragonfly G2」。
セキュリティ機能、4G LTE/5G通信、堅牢性、軽量2 in 1などビジネス用途で重要なポイントを押さえながら、所有感を満たす高級感のあるデザインも兼ね備えており、一切の妥協を感じさせません。
一点、気になった点は、CPUのパフォーマンスが若干低くなっている部分です。
個人的な見解ですが、CPUのパフォーマンスを最大化するより、最適な設定することにより、システムの安定性やバッテリーの駆動時間を優先させたのかもしれません。
「HP Elite Dragonfly G2」は、仕事用のノートPCを購入する方に、自信をもっておすすめできる完成度の高い1台です。